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TvZにおけるオーダー相性。

22 6月

はじめに

年に3シーズン開催されるWCSも最初の1シーズンが終わり、その間に数多くのオーダーが生まれ、消えていった。中でも汎用性が高く、定石的なオーダーとして頻繁に使用される物を分類し、相性関係をここにまとめておこうと思う。

1、マクロ vs マクロ

簡単にオーダーを説明すると、Tは1raxもしくは2CCスタートからfactoryに行き3つ目のCCを建設するオーダーで、Zは15hatスタートから6分前後に3つ目のhatを建設するオーダーである。

両者ともにマクロオーダーの場合は、Tが有利である。

内政と3-3アップグレードがTの方が先に完了するため、正面で戦闘し続けて居るとZはTの3-3アップグレードが完了した時点で劣勢を強いられる。そのためZは正面での戦闘以外でアドバンテージを確保しなければ勝つことは難しい。

2、タイミングプッシュ vs タイミングプッシュ

タイミングプッシュオーダーの場合はTもZもバリエーションが多く、その組み合わせによっても相性は変わるが、多くの組み合わせはこの場合もややTが有利である。

よく使われる代表的なオーダーを紹介すると、Tはhellbat dropやmarine、hellion、medivacプッシュ。Zはroach & baneによるプッシュ等である。(厳密に言うとhellbat dropはプッシュオーダーではないが、一度Zを殴りに行くオーダーは全てプッシュに分類している)

両者ともにプッシュの場合、先にTのプッシュが入った時、プッシュ時にZがプッシュをしかけるオーダーであることを確認され、準備されてしまう。逆にZが先にプッシュした場合は作ったユニットを待ち構えられているという状況になってしまうことが多い。

3、マクロ(T) vs タイミングプッシュ(Z)

この組み合わせで最も多い組み合わせは、Tが即3CCとZがRoach、baneによるプッシュの組み合わせである。

現在最も多く使われるTのマクロオーダーではMarine、Hellionと少量のWidow mineでディフェンスすることになる。しかしこれらのユニット編成ではZのプッシュに対し脆弱なためディフェンスするのが非常に難しい。

よって、多くの組み合わせでZが有利である。

4、タイミングプッシュ(T) vs マクロ(Z)

このパターンでは2で説明したようなhelbat dropやmarine、helion、madeivac等のプッシュとZの即3hatのオーダーの組み合わせである。

TはタイミングプッシュオーダーでもZを倒しきることは難しく、All-inではなくプッシュ後に3rdを建設しマクロゲームに向かう際にマクロオーダーと違いアップグレードのタイミングが遅れるため、ここでアドバンテージを取るのが難しくなる。

そのため、Z側はTのプッシュを正しくディフェンスすると、Zがやや有利になる。

最後に

TvZのオーダー相性を大雑把にまとめると

マクロ(T)>>マクロ(Z)>プッシュ(T)>プッシュ(Z)>>マクロ'(T)

と言った相性関係を持つことになります。

このことから考えると、TとZ共にマクロオーダーはそれなりに大きなリスクを背負うオーダーになるため、トーナメントでプッシュオーダーが多く見られるのも納得出来ます。

そして、トッププレイヤー達はこういった相性を考慮し、既存オーダーをチョイスしたり、この相性関係を破壊するような新たなストラテジーを研究しています。

プレイヤーがいったい何を考えそのオーダーを創りだしたのか、チョイスしたのかを想像しながらトーナメントを観戦するのもまた面白いのではないかなと思います。と言ったところでこの記事を終わりにします。

10-12 Roach (Anti 1raxFE) 2

20 12月

10-12Roachオーダーは今まであった7Roachとは何が違うのだろうか。
7Roachもこのオーダーと似たようなRoachによるラッシュオーダーである。
7Roachはラッシュのタイミングが早い代わりにroachの数が少ないのが大きな違いだ。


10-12Roachではroachの数が多い、そのためBunker修理で防衛しようとしてきても、大量のSCVを倒すことが出来る。
また、Depotや壁際などの修理しにくい場所にBunkerが置いてあった場合、修理の上からBunkerを破壊できる場合も多い。

7Roachでは、SCVの数を削るのが精一杯な上にRoachとSCVをトレードするとRoachが全て倒されてしまい、そこでラッシュが終わってしまう。


このラッシュがなぜ刺さってしまうのかというと、Terranは1RaxFEの後、Doubleling対策にHelion、Roach対策にBansheeを出してくることが多い。
10-12RoachのラッシュタイミングというのはRoachのアンチユニットであるBansheeが出る直前なのだ、7Roachの時はHelionが2体出てくるが、このオーダーの場合はHelionが4体出てくる。
Helion2体増えるよりRoachが3-5体増える方が強力というわけだ。

つまり、アンチユニットのbansheeが出てくる前に出来る限り多くのroachでラッシュするというのが、このオーダーの狙いなのだ。

後半戦におけるPvZのバランス

17 12月

現在のPvZのバランスでは、後半戦(Pが4thを取る選択をした場合)になると、大きなアドバンテージを持っていない限り、Protossが勝利することはほぼ不可能である。
このことを知らない人を今でも見かけることがあるが、それを理解するのに良い動画を見つけたのでここで紹介しておく。


動画は35分と長めだが20分以降から見ても問題ない。

 

よく言われるのが、ザーグデスボール(ブルード、インフェ、コラプター)が揃ってしまうとプロトスは対抗手段がないということだが、これはやや説明不足で、ザーグがこの構成で攻めてきたのを守る形で戦闘をすれば恐らくプロトスが勝つことが出来る。
しかし、反対にプロトスが攻めて行くとザーグが勝ってしまう。

 

じゃあ引き分けになるんじゃないのかと思われるかもしれないが、ザーグはここから更にスポアとスパインを追加した真のデスボール構成になることが出来る。
スポアとスパインはサプライ0な上に建物なため、戦闘能力も高く、実質的にサプライ250対200のようになってしまうためプロトスは勝つことが出来ないのである。

 

この戦略は覚えている限りで今年の8月くらいには使用されていた。
もう4ヶ月もこの状態が続いていることになる。

ZvTにおける偵察のタイミング。

22 1月

その2へ行く前にReactorHelionスタートだった場合の偵察のタイミングを考えようと思います。

HelionFEの場合
Rax2marine生産→Reactor生産
Factory生産→完了後に作ってあるReactorに接続する
2ndCCを建設(4分後半)
4Helion生産
生産後、2OC完成によるIncome増大に備えてTechの切り替え、生産施設の増築(6:30-7:00)
という流れになります。

重要なポイントは()内に書いたタイミングです。

4分後半というのは15hat15poolの場合poolが建ってすぐに作ったlingを相手のベースへ向かわせると、ほとんどのMAPで丁度この時間に到着します。
ここで入り口を見るとhelionを生産もしくは出てくるところを見ることができます。また、直接2nd候補地にCCを建設していれば2ndCCも見ることができるでしょう。

他にも最初のDrone偵察で1gas掘っているのを確認していた場合、もう片方のgasをOLで確認します。
この時間で既に2gas目の建設を行っているとミネラルを貯金できないため、2ndCCを建設できません。
そのことから強烈な1baseプッシュが来ると予想できるでしょう。

最後に6:30の偵察です。
この時間はFEならば上に書いたように、Techの切り替えと、新しい生産施設の建設を行っています。
lingで入り口を偵察した時に建設途中の生産施設を見たなら6:30にFEオーダーだと考えられます。
またOLを入れるならばこの時間に入れるのが効果的です。
なぜならば、FEかどうかを確定できる上に、FEの後、どのような編成にしてくるのか確認出来るからです。
1base2gasからのプッシュオーダーの場合は既に生産施設の建設が終わってユニットを溜めている真っ最中のはずです。

PvZ アンチミュータ 序盤に出来るお手軽ミュータ対策。その2

21 12月

先日紹介した、アンチミュータオーダー。実はこのオーダーはmuta以外にも以前非常に流行ったとあるオーダーに対しても非常に強力です。

そのオーダーとは、2ベースからのインフェスターオーダーです。
今年の春頃にGSLで使われ、流行りだしたオーダーなのですが、infestorを出すまでにlingとspineしか出さないため、1upzealotが非常に効果的です。

特にSlayers Alicia選手が得意とする、SGユニットの視界を使って1stベースにzealotを垂れ流すオーダーや、white-Ra選手の得意とする、WPを使ってzealotやsentryを1stベースに落としていくオーダーに対しては負け確定と言われるレベルで不利になってしまいます。

そのためか今回のGSLnovでは一度しか2ベースインフェスターオーダーを見かけなかったように思います。

プロトスのみなさんはこの1upzealotを使ってtechをよくばるzergをボコボコにしてあげましょう。

GSL Losira vs Alicia Match1(今linkがないので後で貼ります。)

PvZ アンチミュータ 序盤に出来るお手軽ミュータ対策。

20 12月

観戦大好きSC2プレイヤーのみなさんは、3-4ヶ月ほど前まではPvZでFFEの後、Pのハラスやプッシュを返した後、Zがmassmutaで行動を制限しつつ拡張するという戦法を目にすることが多かったと思います。

しかしGSLnovが始まってからはどうでしょう。そういったゲームはめっきり減ってしまったはずです。それはなぜか。
実はFFEの後、Pはあることをすると、Zが非常にミュータを出しにくくなる方法が見つかり、今やそれがスタンダードなオーダーとなっているからです。

そのあることとは、ずばりWGの研究後、Upgrade Ground Weapons Level1を研究する。そして、最初のハラスやプッシュ時にZealotを連れて行くだけです。

こうすると何が起こるのか、実はWeapon1upをするとZealotがlingを倒すのに必要な攻撃回数が3回から2回に減ります。すると、ZはZealotを倒すのにlingを使ってしまうと非常に効率が悪くなるんですね。そのためこの1upZealotを処理するためにroachを作る必要が出てきます。

roachを作るにはlingと違いガスが必要です。Zが今まで使っていたmassmutaオーダーは主にling queen spine sporeと言った、ガスを消費しないユニットや建築物を中心に相手の攻撃をディフェンスし、ガスを貯金しておいて、一気にmutaを生産するというものでした。しかしroachを使ってディフェンスするとなると、roachの生産にガスを使ってしまい、うまく貯金をすることが出来なくなり、mutaを出すタイミングが遅れ、数も減ってしまうんですね。

この1upzealotを使うオーダーは先程も書いたように現在のスタンダードなオーダーになっており、Coreの後、どのテックに進む場合でもとても組み込みやすいのが特徴です。リプレイやVODを見るときはこの点に注目して見てみると良いかもしれないですね

参考リプレイ

http://starcraft2.jpcommunity.com/sc2/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=2520&post_id=5156#forumpost5156
ここのした二つ

http://starcraft2.jpcommunity.com/sc2/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=2531&post_id=5190#forumpost5190

http://www.gomtv.net/2012gsls1/vod/
GSLのPvZ

http://sc2rep.com/replays/%28%29%ED%86%A0%EB%93%9C_vs_%28%29IMNesTea/16671
ToD vs Nestea

Zミラーオープニングの三すくみ

7 12月

Zergを使ってラダーをプレイしているプレイヤーは、Zミラーの初期オーダーに頭を悩ませている人が多いと感じる。自分もつい最近まで、Zミラーをプレイしていて、どの初期オーダーを選ぶべきかいつも悩みながらプレイしていた。

しかし、初期オーダーは大きく3つに分けられ、それが三すくみの関係にあることに気づいたときに、初期オーダーを選ぶ苦悩がかなり低減されたのでここにまとめておこうと思う。

1. 3種類の初期オーダー

Zの初期オーダーはPoolを建てるタイミングで大きく3つに分けることが出来る。それは

1 チーズ、サプライが12以下の時にPoolを建てるオーダー。
例:8pool、10pool、9poolベイン等

2 先プール、サプライが13~15の時にPoolを建てるオーダー。
例:14gas 14pool

3 先ハット、サプライが15の時にHatを建て、その後Poolを建てるオーダー。
例:15hat 15pool その後、即speedup or 即bane

 

2. 三すくみ

次に具体的な相性関係を説明する。

チーズは先ハットに強く、先ハットは先プールに強い、そして先プールはチーズに強い。
チーズ→先ハット→先プール→チーズ

いくつか例外があるものの、ほとんどのオーダーがこのような相性関係にある。

1 先ハット vs チーズ
この組み合わせはもっとも辛い組み合わせである。どんなチーズオーダーでも先ハットが大きくダメージを受ける上に、ほぼ100%負けてしまうチーズオーダーも存在する。

2 先プール vs チーズ
これは先プールが、チーズ側の攻撃を正しく防げるとやや有利になる。
先プール側がどの程度ドローンを殺されても有利なのかは、チーズ側のオーダーによる。
例えば6poolや、9poolベインなどであれば、1-2体ドローンをロストしても先プール側が有利である。
しかし、10poolだった場合にはドローンを1-2体ロストしてしまえば、有利ではなくなり、ほぼイーブンなゲームになってしまう。

3 先ハット vs 先プール
これは先ハットが、やや有利である。
しかし、先プール vs チーズと動揺に、最初のプッシュ(14gas14poolならWlingによる攻撃)を防げなければならないし、仮に相手が拡張したとしても、スピードリングが完了するまではマップコントロールを握られてしまい、その状況の中、ハラスや、拡張後にやってくるかもしれないプッシュに対応する必要がある。

 

3.どのオーダーを選ぶか

あなたがマスターで、特に大会などでBo3やBo5のゲームをするならば3種類のオーダーを1つずつは使えるようにしておくのが良い。
初心者ならばまずは内政の簡単なチーズから練習するのが良い。特に先プール vs チーズなら先プール側、先ハット vs 先プールなら先ハット側、といったディフェンスする方を会得するのは難しい、その上完璧に会得するまではほとんど勝てないためオススメしない。
それよりも攻める側のオーダーから練習し、マイクロを鍛えてから練習すると良い。

先ハットオーダーはNAサーバーのダイヤ上位~マスターくらいになってから練習し始めても遅くはないだろう。