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WCG2013を振り返る vaisravana 対 breek その2

24 10月

 2戦目、MAPはAkilon Wastes。

 1戦目とは打って変ってvaisravana、breek共に攻撃的なスタートオーダーである、14Gas14Poolスタートを選択。

 Akilon Wastesで二人が同じスタートオーダーを選んだことには理由がある。このMAPでは2ndベースを防衛する防衛ラインが他のMAPに比べて2ndベースから離れている。そのため、防衛ラインまでCreepが伸びず、序盤戦では建物を効果的に使ってディフェンスすることが出来ないのである。vaisravana、breek共にAkilon Wastesのそういった特徴を考慮し、14gas14poolを選択したと考えられる。

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**2ndベースが建築完了して、暫く時間が経った状態。防衛ラインはBanelingが登ってきている坂になるが、そこまでCreepが伸びていない。

 スタートオーダーは、両者共に同じオーダーを選択したもののZerglingのスピードアップの研究を入れた所で、二人のオーダーに違いが現れる。

 breekはそのままGasをDrone3体で掘りつつBaneling Nestを建て、All-inに向かう構え。
 一方でvaisravanaはGasを回収していたDroneを1匹Mineralへ送り、Gasを2体で回収しつつ、2ndベースを建築し、内政を伸ばす方向に進む。
 しかし、建築を始めた段階でbreekの2ndベースが無いことを確認しているので、Droneは生産せずにZerglingを生産しながらワンテンポ遅れてBaneling Nestを建築、breekのダブルリング(Zergling+Baneling編成)を同じダブルリングで受ける展開になる。

 breekは最初の攻撃で防衛に出てきたQueenをカットし一歩有利に進むが、vaisravanaはディフェンスに成功する。しかし、breekのオーダーはダブルリングオーダー、ユニットの生産時間が短く足も早いので、すぐに次の攻撃がやってくる。
 2回目のvaisravanaは防衛ラインを突破されながらディフェンスに成功するものの、またもやQueenを失ってしまいbreekgが有利な状況が続く。

 2回目の攻撃をディフェンスした後、vaisravanaはbreekのユニットを追い返しbreekベースの方へ前進することに成功する。
 これを気にDroneを生産し内政を伸ばそうと試みる。だが、breekは追い返されたように見えて実はユニットを生産しておらず、Larvaを溜め込んでいたbreekはLarvaを一気にZerglingの生産に使って3回目の攻撃を仕掛ける。
 vaisravanaはDroneを生産したこともあり、これを受けきることが出来ずに押し切られてしまう。

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**坂道を守るvaisravanaのBaneling2体に対して、breekは8体で攻め上がる。

WCG2013を振り返る vaisravana 対 breek その1

20 10月

 1年ぶりに開催されたWCG2013日本予選。
 今年は選手としてではなく、キャスターとして参戦させて頂けることになった。そのキャスター視点から、今年のWCG1試合目、vaisravana(Z)対breek(Z)の試合を振り返える。

 

1戦目、MAPはBel’Shir Vestige。

 vaisravanaは、15Hatchからの早いGasスタート。このスタートオーダーは初期ラッシュに対して非常に弱くなってしまうが、それ以外の場合には僅かに有利になる。

 対するbreekは、15Poolからの3Queenスタート。これはvaisravanaの15Hatchスタートと違い、早めにZerglingを出せるので、初期ラッシュに対して非常に強い。

 vaisravanaはリスクと取りながらも序盤から有利を取りに行く欲張りなオーダーを選び、breekはその反対にリスクを取らない安定したオーダーを選んだ。その結果、相手の様子を一方的に覗きながら攻撃するか、内政を伸ばすか、自由に選べるvaisravanaが序盤戦の主導権を握ることになった。

 主導権を握ったvaisravanaが選んだオーダーは、Banelingによるオールイン。breekはZerglingのスピードアップとBanelingを使わないオーダーだったため、自分のベースで建築物とQueenを使った籠城戦を行って防衛する以外に道がない。しかし、breekはそこで大きなミスを犯してしまう。

 breekは2ndベース前をRoach Warren、Evolution Chamber、Spine Crawler、Queenで硬めてディフェンスしようとしていたが、建物の建築ミスがあり本来ならば一つ、もしくは全く作るつもりのない隙間を二つ作ってしまった。そのためvaisravanaの攻撃をそのまま受け止めてしまい、3queenのうち2queenをあっという間に倒され、そのまま壁がなくなり押し切られてしまった。

 安定したオーダーを選びつつもミスをしてしまったbreek、欲張りなオーダーを選びながら攻撃的なプレイをするvaisravana。この対照的なイメージは後の3戦目でも目にすることになる。

 

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*隙間が二つ空いてしまったため、両方をQueenで塞がざるを得ないbreek。

 ZerglingとBanelingは近接攻撃型のユニットである。こういったユニットの特徴として、壁の向こう側を攻撃出来ない、狭い場所では混雑して攻撃しづらい等がある。この二つの弱点を利用して建築物で道を塞ぐ、もしくは細い道を1本だけ作って、そこに体力の高いQueenでブロックすることによってディフェンスすることは不可能ではなかった。

*本稿は他サイトに掲載される予定でしたが、諸事情により当ブログにて掲載する運びとなりました。