WCG2013を振り返る vaisravana 対 breek その1

20 10月

 1年ぶりに開催されたWCG2013日本予選。
 今年は選手としてではなく、キャスターとして参戦させて頂けることになった。そのキャスター視点から、今年のWCG1試合目、vaisravana(Z)対breek(Z)の試合を振り返える。

 

1戦目、MAPはBel’Shir Vestige。

 vaisravanaは、15Hatchからの早いGasスタート。このスタートオーダーは初期ラッシュに対して非常に弱くなってしまうが、それ以外の場合には僅かに有利になる。

 対するbreekは、15Poolからの3Queenスタート。これはvaisravanaの15Hatchスタートと違い、早めにZerglingを出せるので、初期ラッシュに対して非常に強い。

 vaisravanaはリスクと取りながらも序盤から有利を取りに行く欲張りなオーダーを選び、breekはその反対にリスクを取らない安定したオーダーを選んだ。その結果、相手の様子を一方的に覗きながら攻撃するか、内政を伸ばすか、自由に選べるvaisravanaが序盤戦の主導権を握ることになった。

 主導権を握ったvaisravanaが選んだオーダーは、Banelingによるオールイン。breekはZerglingのスピードアップとBanelingを使わないオーダーだったため、自分のベースで建築物とQueenを使った籠城戦を行って防衛する以外に道がない。しかし、breekはそこで大きなミスを犯してしまう。

 breekは2ndベース前をRoach Warren、Evolution Chamber、Spine Crawler、Queenで硬めてディフェンスしようとしていたが、建物の建築ミスがあり本来ならば一つ、もしくは全く作るつもりのない隙間を二つ作ってしまった。そのためvaisravanaの攻撃をそのまま受け止めてしまい、3queenのうち2queenをあっという間に倒され、そのまま壁がなくなり押し切られてしまった。

 安定したオーダーを選びつつもミスをしてしまったbreek、欲張りなオーダーを選びながら攻撃的なプレイをするvaisravana。この対照的なイメージは後の3戦目でも目にすることになる。

 

画像1
*隙間が二つ空いてしまったため、両方をQueenで塞がざるを得ないbreek。

 ZerglingとBanelingは近接攻撃型のユニットである。こういったユニットの特徴として、壁の向こう側を攻撃出来ない、狭い場所では混雑して攻撃しづらい等がある。この二つの弱点を利用して建築物で道を塞ぐ、もしくは細い道を1本だけ作って、そこに体力の高いQueenでブロックすることによってディフェンスすることは不可能ではなかった。

*本稿は他サイトに掲載される予定でしたが、諸事情により当ブログにて掲載する運びとなりました。

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